幼い頃の出会い
拓哉は年上女房の夫婦の長男として産まれた。
夫婦はお互いに苦労をしてきたふたりだったため
拓哉の誕生を待ち焦がれていた。
父親方の親族も母親方の親族もみんなが拓哉の誕生を喜んだ。
決心安産ではなかった出産は
一歩間違えれば母子共に命を落としかねないものだった。
そこには大変な出産を終えて待ち焦がれた親子の出会いがあった。
たまたま仕事が休みだった父親も
出産の瞬間を産婦人科の待合室で共有することが出来た。
父親の感想は決して可愛いと言うものではなかったようだ。
産まれたての赤ちゃんはまるでサルのようだから仕方がない。
難産だったため吸引された拓哉の頭は
ひょうたんのように伸びていたのだから尚更だろう。
黄疸が出たためしばらく保育器に入ることにはなったが、
いたって元気な男の子だった。
初めての赤ちゃんにオッパイをあげたり
沐浴をさせたりするのは母親にとっては幸せな時間だった。
時間が経つとオッパイがはってきて痛みを感じる。
拓哉がそろそろお腹を空かしているのではないかと感じる。
産まれたときから母と子は自然に親子として結ばれる出会いを
果たしているのだとつくづく実感する。
順調に入院生活を過ごし予定通り退院を迎えた。
退院は両親が親として独り立ちする日とも言えるだろう。
父親の迎えで母と拓哉は自宅に帰った。
家についてベッドに寝かせた瞬間に
ブリブリと大きなおならとウンチをされてしまった。
新米の両親には衝撃的な拓哉の帰宅だったに違いない。